読者の悩み
プロジェクトマネージメント(プロマネ)とは、期間内に決められた目的を達成することです。
プロマネをどうしたらいいかわからない、効率的に必要なスキルを理解したい。
書籍やサイトに、いろいろ紹介されているけど、多すぎて、どんなツールを選んだらいいのかわからない。
今回はそんな悩みを抱えている人に、シンプルにお答えします。
この記事を読み終えると、とりあえずプロマネを始めることができます。
筆者の信頼度
IT業界歴25年、システム開発・ITサービス展開など、ITに関係するビジネスを中心に50件以上のプロマネ経験からお話します。
●スキル
プロジェクトマネージメントは、以下の5つスキルが必要です。
- 目的と範囲を設定する
- タスク洗い出す
- スケジュールを作成する
- 体制を整備する
- プロジェクトを進捗管理(問題課題管理)する
●ツール
私がいつも使うプロジェクトマネージメントのツールは、シンプルに2つです。
- タスク一覧表
- 問題課題管理表
PMBOKの5つのプロセスとか、10個の知識エリアとか、いろいろ理論がありますが、上の2つのツールでまずは開始できます。
最初は実践で経験をある程度積んで、後付けでプロマネのスキルに関する書籍を読み、理論を学んでいくのがいいと思います。そうでないと、理論を体で感じることができません。
●プロジェクトの流れ
5つのスキルをプロジェクトの流れにそって、説明します。
・目的と範囲を設定する
まず目的を設定します。そして、目的の内容とその対応の範囲(スコープ)を明確化させます。
ここが一番大事です。ここを間違えると全てが無駄になり、この後の工程でいろいろと困難な状況に陥ったり、問題課題が多数発生します。
後工程で問題課題が発生した時に、ここで設定した「目的」に立ち戻って、何が正しい対応なのか、その拠りどころの「目的」にそって判断します。
往々にして、プロジェクトが失敗する原因は、目的が不明確であったり、目的に外れたことをやりだすことに起因します。
なので、ここで「目的」を決めたら、上司、経営者、顧客から承認を受けることが重要です。
後で言った、言わないを防ぐためにも、きちんと明文化しておくことが求められます。
・タスク洗い出す
目的が決まったら、その目的を達成するために必要なタスクを洗い出します。
最初は項目からキーワードで、ストーリーを作成するように、タスクを表に書き出します。
タスクの洗い出しの作成例は、以下の「タスク一覧表」(←リンクからエクセルファイルをダウンロード可能)を参考にしてください。
・スケジュールを作成する
先行関係を意識して、タスクの順序を並べ替えてスケジュールを作成します。
スケジュールは、プロジェクトの締め切り(期限)から逆算して、プロセスを考えて、タスクの実施時期を調整します。
・体制を整備する
上記のタスクをスケジュールどおり実行するために、必要な人的リソースをリストアップし体制を検討します。
社内の社員、協力会社など、動員できる要員をタスクに当てはめて、「タスク一覧表」に記入します。
別途、体制の一覧表を作成してもかまいません。
「タスク一覧表」に記入した要員のアサインを社内で調整し、要員のスケジュールを関係者と調整します。
きちんと調整して、スケジュールを確保できないと、後々タスクの実施に支障をきたし、プロジェクト遅延の原因になるので、しっかり社内関係者、協力会社と「タスク一覧表」について、合意を取り付けておきましょう。
体制が決まったら、その内容を先ほど掲載したタスク一覧表の担当者の列に記載して、関係者と共有します。
・プロジェクトを開始、進捗管理、問題課題管理を実行する
定期的に体制の関係者と進捗会議で進捗状況を確認します。その際、タスク一覧表に進捗状況をメモ書きで記録します。
タスクが終了すれば、タスク一覧表に終了実績の日付を記入します。管理する表は何でもいいのですが、必ず見える化して、関係者と都度共有することが必要です。
もし、予定より遅れが発生したら、その原因を問題課題として、以下の問題課題管理表(エクセルファイルをダウンロード可能)に記入します。
プロジェクト期間中に発生する問題課題は、この問題課題管理表で一括管理して、関係者と共有し、問題課題の解決に向けた対応を見える化します。
この問題課題管理表を地道に更新して、進捗会議で都度確認し、プロジェクトの目的に立ち返って、きちんと判断し、解決させることがプロマネには求められます。
実は、この問題課題管理の更新がプロマネにおいて最重要事項です。このために、プロマネが存在すると言っても過言ではありません。
効率的にプロジェクトを管理して、プロマネを成功に導くためには、問題課題管理が必要であり、この問題課題管理が、グタグタに、曖昧になると、プロジェクトは失敗します。
プロジェクトを進捗させる上で、プロマネには強烈なリーダシップが求められるところです。
●まとめ
- プロジェクトの目的と対応範囲を明確にする
- タスク(やること)、スケジュール(いつ)、体制(誰が)を明確する(タスク一覧表)
- プロジェクトの要諦、問題課題を管理する(問題課題管理表)
上記の手法でいくつかプロマネを経験した後に、書籍などで知識を体系的に学ぶと理解が更に深まります。
プロジェクトマネージメントに関連する書籍を下のリンクにリストアップしました。
もし、自分に合いそうなものがあれば、読んでみてください。