もし自分が、上司からやりたくない仕事を依頼されたらどうするか?
異動先の仕事が自分のやりたい仕事ではない。
あの部署の仕事だけは絶対にやりたくない!逃げるべきか?やるべきか?
なかなか断る勇気は持てないものです。
誰にでもそんな経験あると思います。
今回はそんな悩みにお答えします。
私はIT業界歴で25年、システム開発・ITサービス展開など、さまざまなITの職場で異動を経験してきました。そこで得た体験をもと、やりたくない仕事に対する、考え方、対応の仕方について、お話したいと思います。
目次
やりたくない仕事 逃げるべきか? やるべきか?
新卒で会社に入社後、または、人事異動で、やりたくない仕事を依頼されたら、やりたくない仕事の担当になったらどうするか?
考えただけでストレスを感じるし
モチベーション下がるし
どうしよう?続けるべきか?、逃げるべきか?
無理してやると「うつ」になるリスクも怖い
やめよう、断る、異動を申し出る、やるフリしてやらない
でも、誰かがやらなきゃいけないなら、やるか?、続けるか?、どうしても、やる気が起きない
新卒社員だったら、入社したばかりだし我慢するか?
中堅社員、ベテラン社員だったら、今更やりたくない仕事は当然断りたい、もうそんなに若くないし・・・
皆さんが思うイメージって、だいたいこんな感じでしょうか。。。
●仕事のカテゴリ分け
仕事をやる側の視点で捉えると、上の図にもあるとおり、3つのカテゴリに分けられます。
- ①自分がやりたい仕事(自分の志向、好み)
- ②自分ができる仕事(自分の能力)
- ③求められている仕事(会社の事業、市場からの需要)
①は、自分がやりたい仕事です。
②は、今の自分の能力でできる仕事です。
③は、市場のニーズがあり、会社(上司)から依頼される仕事です。
社会人として、最も理想的なのは、①、②、③の円が重なる部分(上記の青い枠:理想エリアと呼んでます)の仕事です。
やりたい仕事ができて、会社から評価される、自分も満足、会社も満足のWIN-WINです。
しかし、経験も能力も不足してる人は、いきなし「理想エリア」は無理です。
ほどんどの人は、②と③の重なり部分から始まり、そこから徐々にキャリアップして、自分の仕事を「理想エリア」に近づけることを目指します。
仕事として一番重要なのは実は③の「求められている仕事」です。
③求められている仕事の要素がない仕事は、仕事ではありません。それは趣味かボランティアです。
③の求められている仕事をいかに解決するかが、仕事の基本です。
だって、私たちは「求められている仕事」で対価(給料)を貰っているのですから。
③求められている仕事に対応するために、私たちは②の自分の能力を高める必要があります。
②ができて、はじめて①の領域に入ってきます。
もし、「求められている仕事」ができなければ、評価されず、仕事の機会を奪われます。
私たちは「自分がやりたい仕事」の理想を持つのは重要です。
しかし、「自分がやりたい仕事」だけでは価値がありません。
会社から求められて、かつ自分で遂行する能力があって、はじめて「自分がやりたい仕事」ができるのです。
自分に向いていないと思っても・・・
自分に向いていないと思っても、実際にやってみたら面白くて、「やりたい仕事」になることもあります。
また、多くの人に評価されて、苦しいけどやりがいを感じて、「やりたくない」を克服して成長し、「やりたい仕事」に変わることもあります。
やらずして、その仕事を評価するのはもったいないと思います。
また、どうしてもつまらない仕事なら、やりがいのある仕事に変えるとか、
やらなくてもビジネスが成立する仕組みに変えるとか、いろいろ努力することもできます。
そんな、事例をこれまで多く見てきました。
世の中(会社)のニーズに応えるために、自分ができる仕事をするという選択肢もありではないでしょうか。
「自分がやりたくない仕事」をやる意義のポイントは3つです。
- 自分自身の可能性を広げるため
- 苦しんでいる時は成長している時
- 楽しみに変わることがある
実例(自分の体験談)
実例の骨子
- 自分もかって、「やりたくないと思っていた仕事」をやったことがある。
- 「やりたくないと思っていた仕事」を実際にやってみて、そこで思わぬ気づきやスキルを身に付けることができ、その後の仕事で大いにその経験が活きた。
- 未来を予測することは困難であり、「やりたくないと思う仕事」でもとりあえずトライしてみることが重要である。
私は大学を卒業し、IT会社に新卒で入社した時、希望していたシステム開発ではなく、
希望していない(やりたくない)システム運用の部署に配属され落胆してました。
その時のお話をします。
当時、会社のシステム開発の部署は、日比谷、銀座、六本木にあり、そこに配属された同期は希望に満ちた顔をしてましたが、
一方、システム運用に配属された私は、神奈川県の小田原に近い山奥のデータセンターに勤務でした。
大学時代を渋谷、新宿で遊びまわっていた私は、仕事の内容よりも、むしろ勤務地でショックを受けたのを憶えてます。
システム運用とは、文字通り開発されたシステムを運用することで、
システムの障害対応から、システム監視、バックアップ、利用者からの問い合わせ対応などやることは様々です。
システムの作りが悪いと当然運用部門は苦労します。
中でも一番気を使うのは、利用者からの問い合わせ対応です。
利用者からの電話は、いつもシステムが使えない時にかかってくるので、電話を取った時は相手の利用者はいつも怒ってます。
怒っている相手から状況を聞き出し、原因を切り分け、被疑箇所と特定し、手分けして調査し、暫定対応を施す。
そして、再発防止策を検討し、必要に応じてシステム開発部門に要望して、恒久対応を依頼する。
システムは開発しっぱなしではなく、運用してナンボです。
私はそのシステム運用の部署を5年間経験した後に、希望していたシステム開発の部署に異動しました。
そして、異動先のシステム開発の部署で、私のシステム運用の経験が活きることになります。
「運用しやすいシステム、利用者にとって使いやすいシステム」とは何かを、
私は運用業務の実体験を通して知っていたことは、システム開発で自分の強みになりました。
配属された時、あんなに嫌だったシステム運用業務が、システム開発では重宝されるスキルだったのです。
その後しばらくシステム開発の部署でキャリアを積み、今ではITインフラの構築、運用部隊150名を率いる部署の責任者を務めています(2018年当時)。
今から考えると、新卒時に配属されたシステム運用を経験できたことは、自分にとってよかったと思ってます。
「システムは利用者が使ってナンボ」が今の私の仕事における考え方の基本になっています。
さて、新入社員時にシステム運用の配属に落胆していた私が、その後の私の状況を予想できたでしょうか?
システム運用を経験できてよかったと思う自分を想像できたでしょうか?
つまり、若い頃の自分には、未来を見通すことは不可能だったのです。
したがって、若い方は何事もポジティブに捉えて、今の目の前の仕事を「やりたくない仕事」などと嘆かずに、頑張ってみることが人生で必要なのではないかと、私は思います。
シニアも同じ、やりたくないはNG
先ほど、若い頃の「自分がやりたくない仕事」の見方は変わる、こだわる意味がない、いろんな可能性を受け入れるべきと書きましたが、
これは、年齢を重ねても同じことだと思います。
自分の先が見えしまい、モチベーションがガタ落ちの40~50代の方をよく見かけますが、それは実にもったいないことです。
今までのキャリアを活かして、新しいこと、市場が求めることにチャレンジすることはいつでも可能です。
それで結果が出れば、会社や市場で認められますし、自分の喜びになるはずです。
ぜひ、若い人に負けずに、シニアの方も前向きに行動してみてはいかがでしょうか。
例外はあるかも
ただし、何事にも物ごとには例外があります。
あまりにも理不尽な会社、上司、仕事は残念ながらこの世に存在します。
どうしても耐えられない、我慢できない苦痛であれば、躊躇なく逃げてください。
自分を守るために。
まとめ
IT業界歴25年の私がこれまで経験してきたことを教訓として、以下にまとめました。
皆さんの参考にしていただければ幸いです。
・「やりたい仕事」だけにとらわれず、「やりたくない仕事」を求められているのならやってみる、チャレンジしてそれを自分の経験、キャリアにする
・若い頃の「やりたい仕事」は、実態を知らない思い違い、思い込みが多い
・「やりたい仕事」は自分の欲求だけ、会社のニーズが無視されている
・キャリアアップとは様々な要因や状況によって築かれていく
・結局、何がいいのかは、後になってみないとわからないから、とりあえず経験してみる
・「やりたい仕事」以外を一切ならないは世の中では成立しない
・「やりたくない仕事」の中に、無駄にはならない経験がある
・世の中には、今の自分が知らない楽しいことがたくさんある
・どうしてもダメなら逃げましょう!